diary

加筆修正はめっちゃする

愛おしさの温度

 

 そういえば今朝私は泣いていた気がする、と、手が止まる。昼頃やっと起き出した日の午後のこと。そうだった、お父さんの余命が残り十ヶ月だと知る夢を見たのだ。出際に声をかけに来たお母さんは、私の涙を見るやいなやただならぬ声で心配した。夢が悲しいのか夢とわかって安心したのか、泣いて当然じゃないかとふて腐れた覚えはある。

 愛について考える。お父さんが大好きだけど、存在が大きすぎて一生守られる側だ。お母さんが食卓で夢の話をすると「そりゃ、悲しいね…。お父さんの余命が十ヶ月だったら」嬉しそうというより、小さい子供に語りかけるように、穏やかに言った。それから嬉しそうに、一緒に行った旅行の話を始めた。

 もういい。私たちという家族はこれでいいのだ。世間がどうでも。老いに傾きゆくこの家には、私が柔らかい赤ちゃんだったその時と同じ、同じ光が、ずっと差していたのだ。案外自然と大人になるのだろう。私は私のはやさで。与えられたものをきっと返しきれない。たくさん愛された。この涙を流せるなら、信じて良いのだ。

追伸、友達へ 生きてます